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日本刀の製造方法は非常に高度で複雑なプロセスを経ており、伝統的な技術と職人の熟練度が求められます。
今回は日本刀の製造方法の主な工程を詳しく説明します。
水減し(みずへし)と小割り(こわり)
日本刀で使う鋼は、炭素量に応じて使う鋼を分ける作業を行います。
鋼を熱して厚さ3~6mmに引き伸ばし、熱された鋼を水に入れ急激に冷やすことで炭素量が多い部分は自然と砕けます。これは「水減し(みずへし)」と呼ばれる作業になります。
砕けなかった部分は、次にこれを小づちで叩いて2~2.5cm四方に「小割り(こわり)」を行い、その中から良質な部分を選別します。
積沸し(つみわかし)、仮付け
小割りにされた素材を「テコ棒」という持ち手の先に積み上げて、ホド(炉)で熱します。この工程で鋼が沸いた(熱された)と判断したら大槌で鋼を叩き固めて一つの塊になります。
折り返し鍛錬
沸しが終わると鍛錬を行います。「鍛錬」とは、鋼を折り返して鍛えることにより、鋼の中の不純物が取り除かれ、均質な鋼が作られます。
折り返し鍛錬は鋼の状態を見ながら15回程度繰り返され、鋼に層状の構造が形成されます。
「造込み」(つくりこみ)
炭素量が少なく、比較的やわらかい心鉄を包むように、炭素量が高くて硬い皮鉄でくるんで熱し付けるといった工程になります。
これによって内側はやわらかく、外側は固い構造に仕上がり、「折れず、曲がらず、よく切れる」という日本刀の3つの性質を持たせることが出来ます。
「素延べ」や「火造り(ひづくり)」
造込みによって刀身の構造ができ上がったら、これを熱して平たい棒状に打ち延ばす「素延べ」という工程に入ります。
刀身の長さまである程度打ち延ばしたら、小槌で叩きながら形状を整え、日本刀の形に作り上げます。これを作業を「火造り(ひづくり)」といいます。
焼き入れ
刀身を形作った後、刀身全体を800℃程度に加熱し、水の中に入れて急冷して硬化させる「焼き入れ」を行います。
焼き入れの際には、刀身に焼刃土を塗り、焼きの入る部分は薄く、他は厚く塗ります。
これらのような焼き入れの工程によって、日本刀特有のの刃文や反りが生じます。
仕立て、銘(めい)切り
焼き入れが終わると、刀身を研磨し、鋭い刃を付け形を整えます。
この作業が終わり、最後に作者の銘を入れて日本刀の完成となります。
これらの工程はすべて職人の手作業で行われ、多くの時間と労力が必要です。
日本刀の製造技術は何世代にもわたって受け継がれ、今日でもその伝統と技術が守られています。
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